宝物〜絆〜

 バカ西は未だに俯いたまま言葉を発そうとしない。

 黙り込むバカ西に対し、秀人の言葉を補足するように大樹が話し始めた。

「まっ、そういう訳だ。んで、おめえはどうしてえんだ? 言っとくけど、おめえが納得いく展開なんかにゃなんねえよ。いくら人を雇ったって無意味だし、そいつらがやられる度に今みてえな暴言吐いてたら、そのうち逆におめえが狙われる事んなるだけ。当然、俺らの息がかかった奴に声掛けても同じ結果んなるしな。そうなる前に、こんなガキみてえな事やめたら? ちょっと気に入らなきゃ人集めてそいつ潰そうとか考えんの、マジでただのガキだし」

 大樹は言葉こそ喧嘩売ってるみたいだけど、口調や表情は穏やかで、諭しているように聞こえる。

 やっぱ、なんだかんだでバカ西が心配なんだろう。ここまでの事をされても気にかけてくれるツレが居る。それをバカ西は分かってんだろうか?

「結局どうすんだよ。これからも誰か雇ってまた仕掛けて来る気なのか? おめえにとっての大樹って何なんだよ? 大樹がおめえの事、本気で心配してるって分かんねえのかよ。私は、秀人の事あんな目に合わせたおめえを簡単には許せねえけど、こんな事繰り返しててもしゃあねえし、和解出来るならしようと思ってんよ。ただ、これ以上やる気なら、もう和解はねえわな」

 私は大樹が心配している事を分からせて、今後どうするつもりかを聞こうと思ったのに、いざ口を開いたら違う事まで付け加えてしまった。

 すると、まるで私の思考を読み取ったかのような内容を秀人が話し出す。