宝物〜絆〜

 たとえ元の原因が逆恨みだとしても、更にキレさせる要因を私が作ったのは事実。

「わり。ちょっと私からも話させてくんね?」

 私は三人に一言断って、バカ西と会話しやすい位置に移動した。

「あんさ、おめえが一番ムカついてんのは私だろ? 私の事どうにか出来りゃ納得出来んだよな。まあ謝ったところで許してもらえるとは思わねえけど、屋上ではやり過ぎちまって悪かったな」

 無意味だと分かっていながらも謝罪の言葉を口にする。

 実際んとこバカ西は、私をどうすりゃ納得出来んだろうな。自分と同じように痛え目に合わせたいのか、恥をかかせたいのか、それとも精神的に追い詰めたいのか。

 好きにさせてやる訳にはいかないけど、ある程度はこいつの意見にも耳を傾けてやるべきなのかもしれない。

 そんな事を考えながらバカ西を見ると、相変わらず黙り込んだままで俯いている。

 数秒の沈黙の後、再び秀人が口を開いた。

「おめえがどうしてえのか知らねえけど、美咲に手え出したらただじゃ済まさねえから」

 秀人は脅しかけるような表情でバカ西を見ている。

 つか和解するにしろしないにしろ、お互いが納得しなけりゃこの問題は解決しない。それは当たり前の事だけど。バカ西が納得した上で私たちも納得出来るような方法があるんだろうか?

 とにかくまずは、バカ西の心を動かさねえと前には進めない。