宝物〜絆〜

「お前、マジで一人で俺らに勝つつもりかよ?」

 ロン毛が不機嫌そうに一歩前へ出た。

「良いじゃん。先にこいつやってからあの女やった方が楽だし」

 さっきまで私の相手をしていたうちの一人、短髪が口を開く。

「あっ、お前さ。さっき美咲の上ん乗って殴ってた奴だよな。お前は他の奴より三割増しでやってやっから、楽しみにしとけよ」

 そう言った秀人の表情は、一変して怒りに満ちていた。

 確かに秀人が言う通り、その男は私に馬乗りんなってた奴。秀人たちが来る前に、私の服を脱がそうとしてた奴でもある。

「へえ。お前にそれが出来るんだ。やれるもんならやってみれば」

 短髪の男は余裕をかまして笑っている。

 つかこいつら、マジで秀人の事ナメてんな。んな事言ったらマジでやられんぞ、こいつ。

「んじゃ遠慮なく」

 秀人は、言いながら短髪の男に向かって歩いて行く。

 それを見た他の奴らも動き出して、私はもう少し離れようと何歩か後ろに下がった。

 その時、短髪の男の前に到着した秀人は、男の顔面に勢いよくハイキックをぶち込んだ。

 男は勢いのまま派手に後ろに倒れ込む。