宝物〜絆〜

「いや、それはさすがに……」

「お前ら、ちょっと余裕かましすぎじゃね? マジで勝つ気でいんの?」

 鏡司に返事をしようとした私を遮って、ピアスの男が口を挟む。

 そうとうキレてるようだ。

 しかし鏡司はそんな事気にする様子もなく、再度口を開く。

「あっ、んじゃ美咲さ。金は出さなくて良いからジャッジやって。俺らのバトル見て、一番かっこ良かった奴がMVPって事で、そいつに美咲がキスすんの」

 鏡司は悪戯な笑みを浮かべて私を見てきた。

 マジでこいつの言う事は、どこまで本気なのか分かんねえ。

「おっ、それ良いね。つか美咲、見もしねえで秀人に決めてんのは無しだかんな」

 大樹も乗り気でこっちを見ている。

 聞かなきゃ良かったな。つか、そもそも私やるって言ってねえんだけど。

「ちょっと待て。なんでそうなんだよ? だったら私も酒代バトルの方に参戦すんよ」

 私は慌てて鏡司の意見を却下した。

「ジャッジやる奴がバトルに参加してどうすんだよ。なあ秀人?」

 大樹は私の言葉をバッサリと切り捨てて秀人に振る。

「ああ。つか美咲、俺だけ見てりゃ良いかんな」

 どうやら秀人までやる気のようだ。

 何なんだよ、この展開は。誰か冗談だと言ってくれ。