宝物〜絆〜

 でも安心したからって、この状況で私だけ呑気に見学って訳にはいかねえよな。

 相手が私を休ませてくれるとも思えねえし。

 だったら私は少しでも秀人たちの負担を軽くする事に専念するだけだ。

 そう思って返事をしかけた瞬間、大樹たちの方に居る相手の一人が先に口を開いた。

「つかこいつ、鏡司って冬木鏡司の事じゃねえ?」

 振り返ると、話しているのはピンク髪の男だった。何となく全員の動きが止まり、向こうに視線が集中する。

「ああ。またとんでもねえのが出てきたな。立川に冬木って、この二人相手じゃ俺らでもキツイぞ。更にもう一人居るし。あいつ知ってる?」

 ピアスの男が秀人に視線を移して、誰にともなく質問した。

「あっ、そいつ俺らが先週袋にした奴」

 ロン毛が秀人を見て即答する。

 よくもまあ、ぬけぬけと言えたもんだ。無抵抗の秀人をボコボコにしておいて。

 込み上げる怒りを何とか抑えていると、再びピアスの男が口を開いた。

「へえ。じゃ、たいした事ねえんだな。俺らでこの二人なんとかすっから、そっちの二人はお前らでなんとかしろ」

 その言葉を受けて、相手の奴らが動き出す。

 こっちに居た茶髪と金髪が向こうに行き、ロン毛と白メッシュがこっちに来た。

 要するに相手からすれば、危険度の高い大樹たちの相手は強え奴で固めたいって事だろう。

 秀人の実力を知りもしないで。