宝物〜絆〜

「面白い事になってんじゃん。お前ら、こいつの服ひん剥いちまえよ。今ならまだ明るいし、携帯でも綺麗に撮れんぞ。その後はお前らの好きにして良いからよ」

 近づいてきたバカ西はニヤニヤした笑いを浮かべて見下ろしてくる。

 冗談じゃない。ヤられるとか写メ撮られるとかそれ以前に、お前なんかに、こんな奴らに見られて堪るかよ。

 約一週間前に馬鹿な考え起こしてた私を、秀人が守ってくれたんだから。何があっても、んな事される訳にはいかねえんだよ。

 私は無駄だと分かっていながらも必死で抵抗した。当然、数人に押さえ付けられている私は、ピクリとも動けない。

 目の前の男はニヤつきながら私の服に手をかけた。

 どうしようもない不安と恐怖が襲ってくる。

 それとともに、封印していた記憶がフラッシュバックされた。

 目の前で笑う男が、その時の人物と重なる。

 恐い――。

 頭の中は恐怖心のみで埋め尽くされた。

 あの時は、私を嫌っていたはずの、有り得ない人物の登場に助けられた。何もされなかった訳じゃないけど、それでも大事には至らなかった。

 でも今は……。近くに大樹が居るけど、自分の相手に手一杯で気付いてもいないだろう。

 仮に気付いても、こっちに来れる状況じゃねえよな。

 むしろ気付いたら、こっちに気を取られて大樹の方まで状況が悪化するかもしれない。どうすりゃ良いんだよ。