宝物〜絆〜

 つか、それよりこいつ、いつまで人の腕掴んでんだよ?

「痛えな。離せよ」

 私は男の手を振り払った。

「本当、威勢の良い女だな」

 余裕かまして薄ら笑いを浮かべる男。

 というより、本当に余裕なんだろう。普通に考えりゃ、女一人相手に男が五人って時点で私に勝ち目はない。

 前回は大樹や鏡司が居たから何とかなったようなもんだ。それにキレてたから、あんま記憶にねえし。

 今回は一人で五人。しかもそのうちの一人は大樹が強えって言うほどの奴。更にはもう一人、未知数の男が居る。

 まあ、やれるとこまでやってみるしかねえよな。

 秀人、約束破ってごめんな。絶対に二人とも無事で帰るから。

「うるせえよ」

 私は目の前の五人のうち、前回の三人に視線を移すと、真っ先にそいつらの一人である短髪の男が居る方へ向かって行った。

 それは当然、勝てる可能性がある奴らを一人でも多く潰しておきたいから。残り二人に苦戦して疲れてしまうと、勝てる可能性がある奴らにも勝てないかもしれない。

 そう思って行ったはずだったんだけど――。