宝物〜絆〜

「俺らは、この女がやられるとこ見なきゃ納得出来ねえんだけど」

 ロン毛の男が私を睨みつけている。

 そりゃそうだ。こいつらは私がやったようなもんだから。

「だとさ。大樹、残念だったな」

 バカ西は大樹を見て小ばかにしたように笑った。

 なんにしろ私にとっては助かった。今の大樹じゃ、仮に不合理な条件を出されてもそれを飲みかねなかったから。

 とにかく、早く大樹を説得しねえと。既に空き地は視界に入る距離まで来ている。

「大樹、お前にやる気がなくても私はやるから。まあ私一人じゃマジで勝ち目ねえけどな。それでもただでやられる気もねえし、お前がやられんの黙って見てる気もねえから。お前が一緒にやってくんなきゃ、それも本気でやってくんなきゃ、私は簡単にやられるかんな。それでも良いなら黙って見ててくれよ」

 私は、なんとか大樹にやる気になってもらうよう、それに私の事を気にしないで集中してもらえるように言葉を選んだ。

 これで納得してくれなきゃ、私にはどうしようもない。

「はあ。分かったよ。でも、もしお前が……」

「だから、私の事ばっか気にしてたら集中出来ねえだろ。私は本気でやれっつってんだよ。私の事、気にしててやられました、って事になったらマジで許さねえよ」

 私は大樹の言葉を遮って念を押しておく。

 本当は自信ねえんだよ。だからボロが出る前に納得してくれ。