宝物〜絆〜

 大樹が私も行く事を納得してないまま連れて行かれたら、多分、私の事を気にしてまともに戦えない気がする。

 だから、その前に何とか説得しないとマズイ事になる。

「お前さ、こいつらがそんな配分で仕掛けてくる訳ねえだろ。良いから、とっとと店入れ」

 大樹は呆れたように呟いた。

 んな事、分かってんよ。お前を一人で行かせたくないだけだし。何としてでも一人で行かせる訳にはいかねえ。

「じゃあさ、私も行って良いって納得してくれたら……」

「お前ら、いい加減にしとけや。お喋りは後っつってんだろ。ついて来い」

 結局、説得出来ないまま相手が動いてしまった。

 後から来た六人のうちの二人が近寄ってきて、大樹の腕をしっかり掴んで後ろ手に固定している。

 私の方には来ないけど、話の流れから私はすぐにでも行くつもりだと判断したのだろうか?

「はあ。んな事しなくても行くから良いよ。行くのは良いけどさ、お前らこの女には手え出さないでくんね?」

 私の説得が無理だと判断したのか、なんと大樹は相手に話し出した。

「俺らは頼まれただけだから知らねえよ。あいつらに聞けば?」

 髪をショッキングピンクに染めた男が、大樹を後ろから強引に押しながら答える。

 あいつらって言うのは、当然こないだの五人の事だよな。バカ西とは面識なさそうだけど、あいつも含まれてんのかな?