宝物〜絆〜

 つか安心して帰れって、出来る訳ねえだろ。

 だいたい、やられる気じゃなくても、十一人も相手に一人でどうする気だよ。仮によく分かんねえ六人がたいした事なくたって、一人で相手出来るような人数じゃねえのに。

 大樹の強さは知ってるけど。それでも、こんだけの人数相手じゃ、どうしようもねえじゃん。

 それに、大樹が言う「見たことある奴」ってのがどの程度か分かんねえけど、警戒して言うくらいだから結構強い可能性が高い。見た感じ、この前の五人組が六人組にリベンジを頼もうとしてたっぽいし。

 だったら尚さら勝ち目ねえじゃん。

 そんなに私が心配なのかよ。そんなに私が頼りねえのか? 私が女だから?

 私だって、少しは役に立てるんだよ。足手まといなんかにはなんねえ。

「そんなに私は頼りねえか? 前に『そいつ男より強えから』っつってたの、お前じゃん。そうだ。お前、あの六人倒す自信ある? そんなに私の事が心配ならさ、私はこの前の五人とやるから、お前が残り六人やってくれよ」

 私は何とか大樹を説得しようと試みた。

 多分、大樹は私が店内に入るまで動く気がない。んで、私が店内に入ったら全員連れてく気なんだろう。何人か残る可能性はあるけど。

 今、相手が強引な手段に出ないのは、人目もあるし、何より私たちが立っている場所が店のカメラに写っているからだろう。だからって、あんまり話が長引くようなら強行手段に出かねない。