「あっ、その噂も嘘だったんだ。ごめんね」

 疑う事を知らないっつーか、素直なんだよな。茜もそうだけど、唯も純粋すぎんよ。

「良いよ。んで、そろそろ本題入って良いかな?」

 私は自然に笑顔になって唯に質問する。

「そうだね。美咲ちゃんの事は、また後で聞かせて?」

 唯は一旦箸を置き、麦茶を一口飲んで微笑んだ。

「私の話なんか、聞いてもつまんねえだろ。まぁ気になる事があんなら、いつでも聞いてくれりゃ良いけどさ」

「うん。分かったよ。ちなみに美咲ちゃんの話、つまんなくないから」

 唯は、もとより笑ってる顔を更に綻ばせて頷く。

 そして私は、唯に昨日の出来事を話した。放課後の事から、茜の家を去るまでの事を――。