宝物〜絆〜

 それから私たちは、今からのことなども話しながら家路を辿る。

 マンションに着いて着替えを済ませると、大樹を呼びに秀人の部屋に向かった。

 ひとまず一服してから行こうという事になって、それぞれが煙草を吸う間、暫し雑談する。

 全員が吸い終わると誰からともなく立ち上がり、秀人は玄関まで見送ってくれた。

「なんとか一人んとこ捕まえて話せると良いな。なるべくなら早くに会って早く帰って来れると良いけど」

 玄関先で秀人が心配そうな表情で口を開く。

「ああ。俺らが着いた瞬間に家から出て来てくれりゃ良いけどな」

 大樹は頷きながら答えた。

 さすがにそれは無理だろ。確かに、会えるかどうかも分かんねえまま待つのもキツイし、早く会えりゃ良いけどな。

「まあ、厳しいだろうけどな。とにかく気をつけて行ってこいよ」

 秀人は一瞬笑った後、真剣な表情に戻って私と大樹を交互に見る。

 私たちは「ああ。んじゃ行ってくる」と言って秀人の部屋を出た。