宝物〜絆〜

「つか、私は女なんですけど」

 私は鏡司を軽く睨みつけた後、ため息混じりに呟いた。

「そうだったのか。そりゃ知らなかったわ」

 鏡司はすっとぼけた表情で返してくる。

「はいはい。もう何でも良いですよ」

 私は、とりあえず大樹や秀人まで乗ってくる前に流しておいた。またこのネタが復活したら堪ったもんじゃねえ。二人ともどことなくニヤニヤしてるし、ここで流しておかないと危険だ。

「ハハ。ところで美咲、明日学校どうすんの? 俺らサボるから、朝まで飲むつもりだけど」

 私の意図を知ってか知らずか、大樹は話題を変えてくれた。

 つか、朝まで飲む気なんかい。

 時間を見るために携帯を取り出すと、午前一時半を回っている。どうすっかな。まだ今から飲むんだしな。

「行くつもりだけど、めんどくせえな。まだ分かんね」

 この場に居るメンツで自分だけ行くと思うと異様に面倒になってくる事がある。今がそれだ。

「そうか。まっ、行くんなら帰りは迎えに行くから言えよ」

 大樹は少し心配そうな表情を浮かべて私を見る。多分、帰りが一番狙われやすいから心配してくれてんだろう。

 つか、実際に学校行くとこを想像したらマジで面倒臭くなってきた。

「ありがとな。でも、やっぱ行くのやめた。めんどくせえ」