宝物〜絆〜

 それからバイトの時間、ずっと秀人の事ばかり考えていた。

 飲み会どうなってっかな? とか考えても、いつの間にか秀人の事だけ考えている自分に気付く。

 マジで重症だ。

 心の中で苦笑しつつ、なるべく目の前の事に集中して仕事をこなした。

 そして何とか平静を保ってバイトを終えた私は、夜風に晒されながら秀人の家に向かう。

 大樹も言っていたように、さっき来たばっかで誰かが襲ってくるとは思えないが、一応は周囲を警戒しながら歩く私。

 つか、まさかバカ西の奴、金で人を動かしてたとはな。金でしか動いてくれる奴が居ねえとか、寂しい奴。

 大樹なら金なんか使わなくたってあいつの側に居たのに。その貴重なツレさえも、ちょっと気に入らねえ事があっただけで簡単に手放す。結果的にあいつの周りには信用出来る奴は居ねえって事か。マジで憐れな奴だな。

 まっ、私には関係ねえけど。

 そんなどうでもいい事を考えているうちに、秀人の部屋に到着した。

 部屋の前でインターフォンを鳴らして待っていると、大樹がドアを開けてくれた。