宝物〜絆〜

 今それを言わないでくれ、などと考えていると、秀人が先に口を開いた。

「まあ、あいつぶっ飛ばしても話終わんねえからな。んで、美咲が暴れてたっつーのは?」

 秀人は不思議そうに聞き返す。

「いや、その話は良いとして。あん時はちょっと頭に血が上ってたからさ。私も今度、説得しに行こうと思ってんよ」

 さっきの一件について話したら間違いなくからかわれると思って話をごまかす私。

 それに、昨日の今日でもうあいつらが来た事とか、秀人は黙ってやられてたのに、そいつらの事をぶっ飛ばしちまったなんて言えねえし。大樹もそう思ってるから口に出さないんじゃねえかな。ってより、言い出せないって表現すんのが正解か。

 つか、なんかさっきの一件のせいで、いざバカ西を目の前にした時の事考えたら、自分を抑えれる自信なくなってきたんだけど。

「まあ、そういう訳だからよ。お前が先に出ると話がややこしくなるからやめてくんねえか? どうしても行くってんなら、俺らの話に片が付いてからにしてくれよ」

 大樹は鏡司の表情を窺うように顔を覗き込む。

「はあ。分かったよ。お前らの結果を見届けてからにすんよ」

 鏡司の表情は、とても納得しているなんて表情ではないが、一応は分かってくれたようだ。