宝物〜絆〜

 すぐに秀人は玄関を開けてくれる。

「あれ、お前着替えて来たんだ。ん? この人はこないだの? まあ良いや。とりあえず上がれよ」

 玄関から顔を出した秀人は、事態が飲み込めてなさそうに首を傾げているが、ひとまず部屋に上がらせてくれるらしい。

 つか、顔の腫れが昨日より酷くて痛々しい。風呂に入ったのか、包帯などは外している。後でつけてやんねえとな。

「おう。つか凄え顔になっちまったな。記念に写メでも撮っとくか」

 大樹は悪戯に笑っている。

「ふざけんな」

 秀人はキレ笑いで返すと、私たちに上がる事を促すジェスチャーを取って先に歩いて行った。

 そして皆それぞれ挨拶をして部屋に上がって行く。

 席につくなり大樹が私と秀人を見て口を開いた。

「あっ美咲にも言ってなかったけどさ。こいつ鏡司」

 そして一瞬だけ鏡司の方を見て言葉を続ける。

「んで、鏡司。こっちが美咲で、こっちが秀人。よろしくな」

 それを受けて鏡司が自己紹介する。

「俺、冬木鏡司。よろしく。鏡司で良いよ」

 ニコニコと挨拶する鏡司に、私と秀人も軽く自己紹介した。

「いやぁわりぃな、こんな時に。これ、お土産」

 鏡司は手に持ったペットボトルを秀人に渡す。

「えっ良いの? わりぃな。サンキュ。あっ、そんで今日は何で鏡司も一緒に居る訳?」

 秀人は突然差し出されたペットボトルを、驚きつつもお礼を言って受け取り、鏡司に質問した。