宝物〜絆〜

 秀人たちは二人して「美味い美味い」と言いながら、ざるそばを頬張る。私もそれを笑顔で眺めながら箸を進めた。

 そして頃合いを見て話を切り出す。

「あんさ、学校では嫌な態度取って悪かったな」

 なんかこんだけ普通に話してたから、今さらって感じで言いづらい。

 すると秀人は「なんだ、んな事気にしてたのか。あんま細かい事は気にすんな」と一言。

 大樹は「そうそ。どうしても気になんならキスしてくれたら許してやんよ」などとふざけた事を言い放った。

 当然、秀人も便乗して、事態はいつもの如く収拾がつかなくなっていく。

 それにしても結局こいつらはいつも笑って許してくれんな。というより笑いに持ってくんだよな。本当、頭上がんねえよ。

「ハハ。バーカ。ありがとな」

 言葉とは裏腹に心の中で本気で感謝した後、二人といつも通りのバカ話をしながらざるそばを平らげた。

 全員が食い終わると、大樹も一緒になって洗い物を流しに運んでくれて、ひとまず一服する。

 先に煙草を吸い終わった私は、「俺、洗っとくから良いよ」という秀人の言葉を拒否して、手早く洗い物を済ませた。

 そして私と大樹は「ゆっくり休めよ」「お大事に」と言い残して秀人の部屋を後にする。

 玄関口で大樹が「明日、お見舞いに良いもん持ってくっから楽しみにしてろよ」とニヤつきながら秀人に言っていたのが妙に気になった。