宝物〜絆〜

 材料ないのか。買って来ねえとな。

 マジで何にしようか。何でも食うっつったのは私があまりにも悩んでいたからだろう。

「材料なら俺が買ってくんよ」

 大樹が立ち上がって口を開く。咄嗟に私が行くと言ったのだが、「美咲は秀人の側に居てやんな」とか訳の分からない事を言って行く気満々である。

「で、何買って来りゃ良い?」

 大樹の問いに、秀人が「俺、ざるそば食いてえ」と答えた事により、それに決まった。

 大樹が出て行って、部屋には秀人と二人きりになる。

 私は改めて秀人を見た。

「秀人。本当にありがと。私のせいだって分かってるし、私の為にやってくれたのも分かった。でも、もう私なんかの為に無茶しないで」

 心からそう思った。

 私の考えは浅はかだったかもしれないけど、秀人を含め、みんなを守りたかったからやろうとした事。

 こんな結果、望んでなかった。最愛の人が、自分のせいで傷つくところなんて見たくなかった。

 大樹が居なくなって歯止めが利かなくなった私は、思わず秀人に抱きつく。