「大樹、ちょっと良いか?」

 秀人は言いながら俺の隣の席に座る。

「おう。どうした?」

 俺は机に置いてあるペットボトルの蓋を開けながら聞き返した。

「美咲の事で中西に会って話がしてえんだけどさ。今日、学校終わったら一緒に行かね?」

 秀人はチラッと美咲の席を見てから聞いてくる。

 そりゃ秀人も気になってんよな。普通に考えりゃ原因は晃なんだし、出る可能性の低い電話なんて言ってねえで、秀人が言うように直接あいつんとこ行った方が早いかもしんねえ。

「ああ。確かに様子がおかしいのは晃が絡んでんだろうな。バイトまで少し時間あるし、良いよ。行こうか。それに俺もあいつに話してえ事あるしな」

 最悪、バイトは少しくらい遅刻しても良いし。

 そんな事を思いながら逆に質問する。