「美咲、今なんつった? 俺の聞き間違い?」

 大樹は驚いた様子で何故か秀人に確認を取る。

 秀人は困ったように私を見た。

「何度も言わせんなよ。目障り。消えて」

 私の台詞に、大樹は表情を曇らせる。

「美咲、お前それ本気で言ってんのか?」

 真偽を確かめる為なのか、私の目を真っ直ぐ見つめて聞いてくる大樹。

「冗談で、んな事言うわけねえだろ」

 私は思わず目を逸らした。

 秀人はもう勘づいているのかもしれない。だから何も言わないんだろう。

「分かったよ。何なんだよ、いきなり」

 大樹は腑に落ちないといった表情をしたが、とりあえず話しかけるのをやめてくれた。

「美咲、分かったけど……。何があったか分かんないけど、私で良ければいつでも話聞くから。一人で抱え込まないでね」

 茜は困ったような顔で小さく微笑んだ後、自分の席に戻って行った。

 本当、私は何て良い友達を持ったんだろう。本当はみんな納得いってない筈。

 なのに誰一人、私を責めたりしない。それどころか心配さえしてくれてる。今ここには居ないけど唯だって同じだ。

 やっぱ私、こいつらの為なら何されても良いや。明日バイト休みだから、連絡取ってバカ西んとこに行こう。

 たとえ綺麗な身体じゃなくなっても良い。気の済むまで何でもやらせて、もうこいつらに手を出さないでくれって頼んでこよう。