宝物〜絆〜

「いや、だから……、あいつら多分、秀人の事……」

「――だから、前も言ったけど、美咲が気にする事ねえっつってんじゃん」

 秀人は私の言葉を遮って優しく微笑む。

「でも……」

 やっぱり申し訳ない。

「だから気にすんなって。あの様子じゃ多分、近々あいつらから呼び出し喰らうだろ。いつまでも下らねえ噂流されんのも堪ったもんじゃねえし、丁度良かったわ。根源片付けてくるよ」

 いや、気にすんなっつったって、んな事言われたら余計気になるし。しかも一人で行く気かよ。

「片付けるって、あいつらとやりあう気か? バカ西の噂はあんま聞かねえから知らねえけど、立川の方は相当ケンカ慣れしてんぞ」

 万が一、そんなんと秀人がやりあったら……。駄目だ、最悪でも一人で行かせる訳にはいかねえ。

「だろうな。見た感じ中西はただのペーペーだろ。立川が居なきゃ何も出来ねえ。なのに誰も奴に逆らわねえのは、立川のツレだからってだけじゃねえの?」

 秀人は右手に持ったシャーペンをクルクルと回しながら答えた。

「確かに、んな感じだとは思うけど。まあ、そんなんはどっちでも良いや。とにかく呼ばれたら私も行くから、声かけてくれよ」

 私は秀人が一人で行かないように念をおしておく。

「何で?」

「いや、何でって。普通に考えて私が巻き込んだ事なんだから、私が行くのは当然だろ?」

 やはり秀人は一人で行くつもりだったらしい。