「ホームルーム始めるぞ。みんな席につけー!」
担任の声が聞こえてきて、茜は自分の席に戻って行った。
私は窓の外に視線を移し、ユラユラと風に揺られる木の枝をボーッと眺める。
「まずは転入生を紹介する。今日からこのクラスに入る神城秀人くんだ。じゃ、神城くん。自己紹介をしてくれ」
「へっ?」
秀人つったか、今?
間抜けな声を出して教壇を見ると、担任水谷の横に秀人が立っていた。
私の声で秀人も気付いたらしく、こっちを見て「あっ」と声を漏らし、驚いたような表情になる。
「なんだ、神谷。知り合いか?」
水谷は、こっちを窺うように見てきた。
「ああ。まあ、そうだけど」
私は“しまった”と思いながら適当に流す。
元凶であるバカ西が居るこのクラス内で、私と知り合いなんて思われたら秀人まで敵視されたりしないか心配になったから。
ただ、もう手遅れだし、どっちにしろ同じクラスに居りゃすぐにバレる事だなって思い直した。
「じゃあ、席は神谷の隣で良いな。教科書が届くまで見せてやってくれ。机は空いてるのを使えば良いから、神城くん、とりあえず自己紹介を」
水谷は私の返事も聞かず話を進めた。
参ったな。今日の授業、教科書全部あっかな?
担任の声が聞こえてきて、茜は自分の席に戻って行った。
私は窓の外に視線を移し、ユラユラと風に揺られる木の枝をボーッと眺める。
「まずは転入生を紹介する。今日からこのクラスに入る神城秀人くんだ。じゃ、神城くん。自己紹介をしてくれ」
「へっ?」
秀人つったか、今?
間抜けな声を出して教壇を見ると、担任水谷の横に秀人が立っていた。
私の声で秀人も気付いたらしく、こっちを見て「あっ」と声を漏らし、驚いたような表情になる。
「なんだ、神谷。知り合いか?」
水谷は、こっちを窺うように見てきた。
「ああ。まあ、そうだけど」
私は“しまった”と思いながら適当に流す。
元凶であるバカ西が居るこのクラス内で、私と知り合いなんて思われたら秀人まで敵視されたりしないか心配になったから。
ただ、もう手遅れだし、どっちにしろ同じクラスに居りゃすぐにバレる事だなって思い直した。
「じゃあ、席は神谷の隣で良いな。教科書が届くまで見せてやってくれ。机は空いてるのを使えば良いから、神城くん、とりあえず自己紹介を」
水谷は私の返事も聞かず話を進めた。
参ったな。今日の授業、教科書全部あっかな?

