学校に到着すると秀人は職員室に向かい、私は教室に向かう。
二階への階段を上る途中、踊り場に居る二人組の女が、こっちを見て何やら話をしてんのが視界に入った。
会話の内容とか聞こえてくる訳でもねえし、特に気にも止めずにすれ違いかけた瞬間――。
「うっそ。マジでー? それ最悪じゃん」
突然、一人の女がアホみてえにデカイ声を出した。
思わず振り返ると、恐らく今、言った奴じゃない方の女が慌てた様子で人差し指を口に当てながら何度も私をチラ見してくる。
「ちょっ、声デカイって。聞こえちゃうでしょ」
状況から考えれば、どうせまた金曜の延長で下らねえ噂話でもしてんだろうと思ったけど、念のため周りを見渡してみた。
偶然にも、見える範囲には私以外誰も居ない。
「つか、思いっきり聞こえてんだけど。何か文句あんのかよ?」
私は呆れ混じりの溜息をついて二人に視線を戻す。
「はあ? 誰もアンタの事なんて話してないんだよ。自意識過剰なんじゃない?」
一人の女が食ってかかろうとしてんのを、もう一人の女が焦って止める。
「ちょっと、マズイって。怒らせたら……」
二階への階段を上る途中、踊り場に居る二人組の女が、こっちを見て何やら話をしてんのが視界に入った。
会話の内容とか聞こえてくる訳でもねえし、特に気にも止めずにすれ違いかけた瞬間――。
「うっそ。マジでー? それ最悪じゃん」
突然、一人の女がアホみてえにデカイ声を出した。
思わず振り返ると、恐らく今、言った奴じゃない方の女が慌てた様子で人差し指を口に当てながら何度も私をチラ見してくる。
「ちょっ、声デカイって。聞こえちゃうでしょ」
状況から考えれば、どうせまた金曜の延長で下らねえ噂話でもしてんだろうと思ったけど、念のため周りを見渡してみた。
偶然にも、見える範囲には私以外誰も居ない。
「つか、思いっきり聞こえてんだけど。何か文句あんのかよ?」
私は呆れ混じりの溜息をついて二人に視線を戻す。
「はあ? 誰もアンタの事なんて話してないんだよ。自意識過剰なんじゃない?」
一人の女が食ってかかろうとしてんのを、もう一人の女が焦って止める。
「ちょっと、マズイって。怒らせたら……」

