――ミャア


「はいはい。ドアを開けたいのね」


おおかた<影>の後について礼拝堂に入り、出られなくなったというところだろう。

ラドリーンは扉を開けて、先に猫を外に出してやった。

それから、戸口から顔だけ出して左右を確かめる。

――誰もいないようだ。


――ミャア


猫はまた少し先で振り返り、ラドリーンを見て鳴いた。

まるで『ついて来い』とでも言うようだ。


不意に興味が湧いて、ラドリーンは猫の後をついて行く事にした。


どうせ何もすることがないのだ。