二人とも、ラドリーンが見たこともないほど大柄だった。
黒っぽい髪を短く刈り込み、お仕着せなのだろうか、鎖帷子の上に十字架と狼を組み合わせた紋章の付いた服を着ている。
「レディ」
二人の騎士は胸に拳を当て、小さく頭を下げた。
<侍女>は男達に頷き、ラドリーンは言われた通り真っ直ぐ前を見ていた。
「姫君がおいでです。司教様にお取り次ぎを」
<侍女>が言った。
「お通しするように言い付かっております」
片方の騎士がそう言って扉を開けた。
ラドリーンが通り過ぎようとすると、もう一人の騎士がグッと喉を詰まらせたような音を立てた。
思わず目をやると、騎士は下を見ていた。
ラドリーンも下を見る。
黒い尻尾がシュッとドレスの中に吸い込まれた。
ラドリーンが困ったように見上げると、厳つい顔が笑いを堪えるように歪んでいた。
「どうぞ中へ」
騎士はいたずらっぽく片目をつぶって頭を下げた。
ラドリーンは小さく吐息をつくと、リナムを隠したまま扉の中に足を踏み入れた。
黒っぽい髪を短く刈り込み、お仕着せなのだろうか、鎖帷子の上に十字架と狼を組み合わせた紋章の付いた服を着ている。
「レディ」
二人の騎士は胸に拳を当て、小さく頭を下げた。
<侍女>は男達に頷き、ラドリーンは言われた通り真っ直ぐ前を見ていた。
「姫君がおいでです。司教様にお取り次ぎを」
<侍女>が言った。
「お通しするように言い付かっております」
片方の騎士がそう言って扉を開けた。
ラドリーンが通り過ぎようとすると、もう一人の騎士がグッと喉を詰まらせたような音を立てた。
思わず目をやると、騎士は下を見ていた。
ラドリーンも下を見る。
黒い尻尾がシュッとドレスの中に吸い込まれた。
ラドリーンが困ったように見上げると、厳つい顔が笑いを堪えるように歪んでいた。
「どうぞ中へ」
騎士はいたずらっぽく片目をつぶって頭を下げた。
ラドリーンは小さく吐息をつくと、リナムを隠したまま扉の中に足を踏み入れた。