ラドリーンはタペストリーに書かれた文字を読み上げた。
「――我、命ずる。扉よ開け」
再び重い音がして、階段ができた。
海の匂いの風が吹く。
猫が階段を駆け上がり、タペストリーの下から潜り込もうとした。
が、どう見ても無理のようだ。
ラドリーンは麻糸を取り出すと、糸の端を部屋の入口に置いた踏み台に縛り付けた。
それから糸巻きを持っているのと反対の手で燭台を掴んで階段を上り、タペストリーの裏側を蝋燭で照らした。
今までラドリーンが見つけてきた通路によく似ている。
この入口は、どういう仕掛けになっているのだろう。
内側から開ける事もできるのだろうか?
ラドリーンの足元をすり抜けて猫が通路に入った。
「あっ! 待って!」
猫が待つはずもなく、ラドリーンは選択を迫られた。
どうしよう……
今行かなければ後悔するだろう。
だって、この先に何があるのか知りたい。
ラドリーンは思い切って一歩を踏み出した。
「――我、命ずる。扉よ開け」
再び重い音がして、階段ができた。
海の匂いの風が吹く。
猫が階段を駆け上がり、タペストリーの下から潜り込もうとした。
が、どう見ても無理のようだ。
ラドリーンは麻糸を取り出すと、糸の端を部屋の入口に置いた踏み台に縛り付けた。
それから糸巻きを持っているのと反対の手で燭台を掴んで階段を上り、タペストリーの裏側を蝋燭で照らした。
今までラドリーンが見つけてきた通路によく似ている。
この入口は、どういう仕掛けになっているのだろう。
内側から開ける事もできるのだろうか?
ラドリーンの足元をすり抜けて猫が通路に入った。
「あっ! 待って!」
猫が待つはずもなく、ラドリーンは選択を迫られた。
どうしよう……
今行かなければ後悔するだろう。
だって、この先に何があるのか知りたい。
ラドリーンは思い切って一歩を踏み出した。

