東の空が白み、夜明けの最初の光が差した頃、アルフレッド卿は帰って来た。

卿は出撃した時とは変わり、栗毛の馬に乗っていた。

その後を、やはり馬に乗った騎士達が、縄に繋がれた男達を追い立てるように戻って来る。

遠く離れて、白い衣を身にまとった者達がいた。


城主夫人が駆け寄った。


アルフレッド卿は、ひらりと馬から飛び下りると、丸太のような腕で妻を抱き締めた。


「彼らが軍勢を食い止めてくれた」

アルフレッド卿は妻の肩に顔を埋め、唸るような声で言った。

「我らの勝利だ。『死者の家』の者達が、弱った身体に鞭打って駆け付けてくれた。武装した騎士達は病が移るのを怖れ、逃げ惑っていた。死をも怖れぬと言われた王都の騎士達がだぞ」


歓声が上がった。


アルフレッド様、万歳!

ご領主様に神の祝福を!


「いや、皆の者、彼らを讃えてくれ」

アルフレッド卿は、街の門に近付こうとしない白い人々を振り返った。

「そして彼らのために祈ってくれ」