「炉端で語られる昔話だと?」

「恐れながら」

「では今、願うがいい」

「願いは申し上げた通りでございます」

「それでよいのか?」

「願いすぎて、最後に全てを失う伝説がありましたな」

「そうだな」

アスタリスは柔らかな笑みを浮かべて言った。

「どちらにしろ、さして俺の出る幕はないだろう」

「は?」

「全員ついて来るがいい」


――オイラも?

リナムが無邪気にきいた。