アルフレッド卿はテオドロスの背を、またペシペシと叩いた。

「だが、人の心ってのはそう単純じゃないんだよ。迷信だろうが異教のものだろうが、信仰の対象は敬うべきだ。わたしはそう思っている」


「身内でなければ一晩かけて説教をするところですよ、義兄上」


「そいつは御免被りたいね」

アルフレッド卿はそう言ってニッと笑ったのだった。