泣きそうな僕を横目に、老人は何か円のようなものと模様を描き始めた。 「準備は整った。夏、行くぞ。」 「…いやだ。」 「大丈夫じゃ。わしが面倒みてやる。安心しろ。」 「…本当?」 「本当じゃ、お前はわしの孫じゃからのう。」 正直、施設にいるのは苦痛だった。僕はどうも集団生活というものが苦手のようだった。 「行く。」 「よしよし。では、呪文を唱えるぞ。」 「△※〇□%」 その瞬間、辺りが眩い光に包まれた。