結局俺は彼女に声をかけられないまま、ただ彼女が男と歩いていくのを見送った。


そうだ!

あいつなら…!


バンッ!!


「結城!!」

どうしても確かめたくて店に飛び込み、結城に詰め寄る。


「っ!…びっくりしたー」
「おい!どういうことだよ!」

「はあ?何がだよ。とりあえず落ち着け、お客様に迷惑だ」


あ…悪い…。

「ごめん。ちょっと話、いいか?」

「はあ…。いいも悪いも聞かなきゃいけないんだろ」
「ああ」

「とりあえず奥来い」


結城に連れられて奥の小さな部屋に行った。

ロッカーとかあるし、更衣室だろうか…。


「とりあえず座れば」

結城が置いてあったソファーに座って、顎で前にすわれと合図する。