マスターの話を聞いて、浩汰さんときれいな大人の女の人とが一緒にいる姿が浮かんでしまう。


確かにもう過去のことだろうし、マスターのいうように気にすることじゃないんだろうけど…。



でも、あの日私が相手にされなかったのってやっぱり、今までの人と比べて駄目だったからなのかもしれないよね…。



―――カランカラン―――


あっ!

今バイト中だったんだ。

暗い顔した店員さんなんて、お客さんも嫌だよね。


笑顔、笑顔!



それからは結構忙しく動き回ってたおかげで、いろいろと考えずにすんだ。



…いつも夕方までには絶対に来てくれる浩汰さんは、来なかった。