彼と彼女の場合

「あ、あの!すみません!そんな安物、浩汰さんはつけませんよね!あはは…すみません…ほんと…」

どんどんとトーンダウンしていく彼女の声を聞きながら、にやけそうになる口元を隠す。

「ありがとう。めちゃくちゃ嬉しいよ」

そう言って彼女を見ると、
ガバッと顔を上げた愛果の目は心なしか涙が浮かんでいるような気がした。

俺が気に入らないと思って不安だったんだろうか?

そんな彼女がかわいく思えて気がつけば頭を撫でていた。

「ありがとう」

もう一度お礼を言うと撫でている手に頭を寄せてくるような彼女。

か、かわいい…!

こういうとき、彼女の幼さが見えるような気がする。

どうしても今キスしたくなってしまって、

撫でていた手を彼女の頭の後ろに移動して引き寄せた。