彼と彼女の場合

とはいえ、まだ高校生の彼女をあまり遅くまでつれ回すわけにはいかないだろうけど…。


「じゃあ行こうか」

愛果の手をひいて観覧車に向かう。


係員によって扉が閉められてゆっくり上昇する。

それにしても…。

観覧車ってこんなに狭かったか?

向かい合って座った俺と彼女の膝は当たりそうなほど近い。

無性にドキドキしてきたし…。

彼女は無邪気に窓の外を眺めてにこにこしてる。

今日はずっと笑顔だったな…。

楽しんでもらえたようでよかった。

俺も十年ぶりぐらいの遊園地でそこそこ楽しんだけど。


「今日はありがとうございました」


「ん?俺こそありがとう。楽しかったよ」