「サボるんはいいけどさ、成績ほんとや ばいから今迷ってる。」
「あたしも成績やばいよ?つか成績やば かったらなんかあんの?親?」
「そうそう、親。家庭教師呼ぶだの 塾行けだのうっせーんだよね。」
「あたしも言われるけど無視。てか今家出 中だしね?」

あたしは、少し前から家出をしている。
原因は、母親から勉強の事しか言われなくて、もう限界だった。
もう1つ。
父親からの暴行。
お父さんは飲む量が増えてくるたび陽那を何度も何度も殴ってきた。
だからあたしは、ずっと迷っていた家出を決意したんだ。

沙織は、少し考えて、
「家出ってどこ行くん?」
と陽那に聞いた。
「あたしは近くのボロいホテルに泊まってるよ。」
そこのホテルは、最初はよく人が通ってて、人気だった。
でも近くに新しいホテルができて、みんなそこに行ってしまったんだ。
だからボロボロだけど、安い。

「ああ、そこってさ、旅行者の人とかよく来るとこだよね〜。」
「そうそう」
キーンコーンカーンコーン…キーンコーン…

「やばっ!早く出よ!」
「ちょ、別れて行かなきゃバレる!
屋上集合で!」

私は廊下を走り屋上へと向かう。
うちの学校の先生校則とか、サボるとかにうるさいってゆうかめんどくさいんだよね。
「あれ?どこ行くんですか?…おーい⁈
ちょっ…平井さん⁈」
「…あっ、やば… えっと…
トイレ急いでるんで!」
「そう。体調がよくなったらまた戻って来なさいね。後、廊下は走ったらいけませんよー!」
「あーい!」
あたしは、何とか先生を振り切った。
沙織は、もう着いているだろう。
そっちのルートの方が断然はやいんだよね。