「今日うち、ナチュメだよナチュメ！」
当たり前のように 沙織がそう言う。
「ナチュメってナチュラルメイクだよね ？」
「そうに決まってんじゃん？」
「…っどこがナチュラル⁈ククッ…
相変わらずメイク変わんないよー？」
『えっ？めっちゃナチュメだし！わか んないの？もぉ〜』

口を尖らせて拗ねる沙織が可愛かった。
やっぱ可愛いな〜。

「最近の子は凄いねぇ…。」
「クククク…ッ…！クッ…」
沙織は何やら笑いを堪えているようだけど、どうしたんだろう。
「沙織どうし…」
「…おばさんか！クッ…、ちょまぢ今の 発言ありえないんだけど！」
「ちょっとー！酷くね？」

そして、チャイムが鳴る直前まで
他愛もない中学生らしくないお喋りを
していた。
「つーか1限目どーする？」
「どーするって？サボるってこと？
沙織成績やべーんだけど」
「え、授業だるくね？」
「まぁだるいけどさ？やっぱ成績気にな るっしょ…」
「んま、大丈夫じゃない？」
「単位足らなかったらどっしよ」
「あたしはサボる」
「えー、陽那がサボるんなら沙織もサボ るし〜」

沙織は、本当かわいい。

お姉ちゃんみたいだなって思ったり、
妹みたいだなって思ったりする。

それに、人気者だし、クラスの男子で
沙織の事無理な人なんて、絶対いないと思う。