……………………

夢………

夢を見ていた……

ヒナは夜の空を見上げてる。
空には見たことのある星座が2つ並んでいた 。

「あの星座は確か……。」

『あの星座はカストルとポルクス……古えの昔は 仲の良い星だったんだよ。』

消えそうな声で呟いたヒナにスッと声をかけたのは同じくらいの年の男の子 だった。

まだ無邪気な雰囲気を残しているが、腰には 龍を象った剣、腕には見覚えのあるリングをは めている。

「あ!双子座ね!! 」

ヒナは星座の名がわかったことに喜んでいた。

その男の子は…知らない人だったが、なぜか、 親近感が湧いていた。 むしろ、会えたことがなぜだか嬉しい。

誰かに似てる…… けど違う………
不思議な男の子だった。

『双子座……昔は世界の空に2つ…存在していた 。』

「2つ…普通1つしか見えないわよ 」

『世界が…割れてしまったから…。』

男の子は悲しそうにそう言うと、ある方向を見 ていた。

「誰かいるの? 」

そこには……もう一人の男の子がいた。

ブワっ

急に黒い霧と雲が一体を包む。

「やだ!! なにこれ! 」



「!!!」

「ヒナ? 」

気がつくとそこは…街の宿屋の布団の中であった。

「………今のは…?」

「…?」

凍りついたような表情で立ち上がれずにいるヒ ナを不思議に見るジュンだった。