オカは嘘をつかない。
よく知ってる。
だからこそ、期待してしまう。

2020年 冬 寒い日曜日。

荷造りをしていると、いろんなものが出てくる。
思い出だとか、
夢だとか。

高1のときに思い描いたものは、
全てこの部屋に収まるようにしなくちゃいけない。

来るはずもないのに、
「迎えに来てほしかった」と書いた手紙。
中村くんは捨ててくれただろうか。

12時を回った頃、チャイムが鳴った。
ドアを開けて驚いた。

やっぱり、オカは嘘をつかなかった。

「さゆ、手紙ありがとう」

中村くんと、オカだった。