オカには断るようにお願いした。
あとは誘うだけだった。

顔を見ると、
「じゃあオカも誘おう!」
って言われたとき断れないから、メール。

『圭ちゃん!
今度、花火大会あるじゃん?
一緒に行かない? さゆ』

『いいね!じゃあオカは俺が誘っとく!』

やっぱり言うと思った。
でも大丈夫、オカは断ってくれる。

『わかった。
お願いね(^^) さゆ』

『あ、明日また図書館ね!明日は化学よろしくお願いしますf(^_^;』


次の日、いつもの図書館。
もちろんオカも来ていて、
中村くんにバレないように目配せした。
(ほんと鈍感だよな、圭)

(しかたないよ、オカが大好きなの)

そうなの、仕方ない。
中村くんはあたしと付き合う前から
オカと仲良くて、
あたしを好きになる前に
オカが大好きなの。

圭ちゃんはテキストを開きながら
「さゆ、オカ花火大会行かないんだってよ!」

「あ、そうなんだ」

「絶対楽しいのにな!さゆもなんとか説得してくれよ」

「え?」
何も言えなかった。
そう言われるとは思ってたけど、
なんだか悲しくなった。

中村くんはもしかして、
あたしと二人が嫌なのかな。

「人混みとかめんどくせーし、初デートなんだ、二人で行けよ」

「別に今更二人じゃなくてもいいよな?
さゆもオカのこと好きなんだし!
いこーぜ!」

オカが目配せをする。
(嫌だって言えよ)

「…オカ、行こーよ。オカがいた方が楽しいし」

オカが、ビックリしてる。
でもなんだか、どーにもならない気がしたの。