中村くんとオカと、あたし。

あたしが中村くんに告白してから、
毎日のようにつるんだ。

中村くんとオカはすごく仲がよくて、
そのなかにいれてもらえることで 中村くんにも近づけるような気がした。

二人きりになかなかなれないのは
少し焦れったかったし、
少し寂しく感じちゃうこともあったけど、

オカといる中村くんは楽しそうだったし
中村くんが楽しそうだと嬉しかった。


夏休み、
いつものように3人で図書館で
夏休みの課題をやっていた。

中村くんがトイレで席をたったとき、
「オカ、お願いがあるんだけど」

「…何?」

「あのね、今度圭ちゃん(付き合ってるときはこう呼んでた)を花火に誘おうと思ってるんだけど」

「おう、誘え誘え」

「でね、絶対オカのことも誘うと思うの」

「誘いそうだな」

「それで、あの…」

「ヒナのために断るよ」

「ありがとう、オカ!今度必ず埋め合わせするね」

オカはこの頃からずっと優しい。
でも、それはたぶん、あたしだけなんだと思う。