さゆと付き合い始めてから、
ほとんどをオカとさゆと3人で過ごした。
オカは最初は遠慮してたけど、
次第に3人が当たり前になってきた。
俺は好きなやつ二人といるんだから、
全然嫌じゃなかったし、
さゆもオカを気に入って3人で楽しんだ。
高1の夏、3人で花火に行った。
初デートだったからオカは頑なに
行かないと言い張ったけど、
さゆも俺も二人きりは恥ずかしかったので譲らなかった。
人が多すぎてオカとはぐれた。
「もーどこいったんだ、あいつ」
「…あたし、オカのこと好きだけど」
「うん、俺も好き」
「仲良いよね」
「うん、俺あいつの無愛想なとこが好き」
「なにそれ(笑)」
「なんか、いつもオカがいるから二人ってなんか恥ずかしいね」
「でも、たまにはこーいうのもいいよね」
ってはにかむさゆが可愛かった。
今思うと、オカはわざとはぐれてくれたんじゃないかと思う。
さゆと二人で話して、
なんとかオカを説得した。
「来年はオカの彼女と来たいね」
なんて言いながら、3人並んで花火を見た。
あの日の花火は、
これ以上ないくらい綺麗だった。