「夏樹、それっていつの話?」 お兄ちゃんはタバコをくわえて、火をつけた。 「……一昨日の、夜」 フゥーと煙を吐くと、次にお兄ちゃんはあたしを見た。 「しばらく夜は出るな」 「なんでっ──」 「お前は狙われてるんだ」 いつもより鋭い視線に、思わずビクッとなる。 今目の前にいるのは、お兄ちゃんであって、そうじゃない。 今目の前にいるのは────総長だ。 仲間の安全を第一に考える、総長だ。 「でもっ、あたしはあの男を──」 「お前になにかあってからじゃおせぇんだよ!」