「いま、学校の時間だよね?」



あたしは不機嫌そうに呟いて、目の前の人を見る。



「わりぃわりぃ。だって、急用だったから」



申し訳ないとちっとも思っていない様子の彼────いや、お兄ちゃんは、ヘラヘラと笑っている。


「もうっ。学校くらい行きなよ」



お兄ちゃん──篠原陽太は、手に持っていた炭酸水を一気飲みした。