オレのパーカー着ろよ。




これはあたしのミス。



あたしが、もっと早くあいつの気配に気づいていれば……



────気配?




あいつって、気配あったっけ?



そういえば、なかった気がする……



でも、そんな、まさか……



「わかった」



叶多の声に、ハッとしたように横を向く。


「オレが────お前の隣にいる」



「え?」



聞き返すと、叶多がいつになく真面目な顔で、



「そいつが近づかないように、お前の側にいる」



そんなことを言った。



あまりの真剣さに、あたしは頷くしかなかった。







あたしは、なんて危険なやつが隣なんだ──