これはあたしのミス。 あたしが、もっと早くあいつの気配に気づいていれば…… ────気配? あいつって、気配あったっけ? そういえば、なかった気がする…… でも、そんな、まさか…… 「わかった」 叶多の声に、ハッとしたように横を向く。 「オレが────お前の隣にいる」 「え?」 聞き返すと、叶多がいつになく真面目な顔で、 「そいつが近づかないように、お前の側にいる」 そんなことを言った。 あまりの真剣さに、あたしは頷くしかなかった。 あたしは、なんて危険なやつが隣なんだ──