オレのパーカー着ろよ。





って、見に行くに決まってるけど。




隼人もそれをわかっているから、電話の向こうでニヤニヤ笑っている。






『……なんだよ』




『いや?別に?』



ブロロロロ……とエンジンの音がする。
もうそろそろ出発するんだなとおもった。




『もう切るなー』



『……おい』



切ろうとする隼人を呼び止める。



たった一言言えばいい。



怪我すんなよ────って。





『せいぜい殴られないようにな』



なのに、出てきたのは全然違う言葉だった。オレはいつもそうだ。


不器用で、肝心なことを上手く伝えられない。





『心配してんの?サンキュー』




だけど隼人はわかってくれる。



オレの言いたいことを。




オレはおう、と言って電話を切った。