視界がだんだんとぼやけてきた。 あたしはまだ泣くわけにはいかないから、必死で目をこする。 「それじゃあ、よろしくお願いします」 真人さんはこくりと頷いて、みんなに分け始めた。あたしはジッと分け終わるのを待っていた。 最後のひとりに渡し終わったところで、みんなが泣いているのがわかった。 「みんな、泣くのはまだ早いよ」 あたしの言葉に顔をあげたみんな。 「これ、本当は写真と一緒に隼人が読むつもりだった手紙」 あたしはひとつ、深呼吸をした。