オレのパーカー着ろよ。




お兄ちゃんに近づくと、規則正しい寝息が聞こえてきた。


あたしは小さくため息をつくと、片手を空にあげる。



そしてそのままお兄ちゃんの頭に振りかざした。



ゴンっという鈍い音がしてお兄ちゃんの顔が痛みに歪む。



「いっ……てぇ…」



目を開けてあたしをとらえると



「なんだ、美亜かよ」


なんとも失礼なことを言ってきた。