「わかった。答えをくれてありがと」 お礼を言って席を立つ。 叶多がいてよかった。 何年も一緒にいたわけじゃないけど、もう何年も友達だったような気がする。 いい友達をもったなと自分でも思う。 「ほんとは、答えなんてあげたくなかったけどな……」 叶多の呟きは、走り出したあたしには全く聞こえなかった。