「じゃあ、学校は?」 「行かねぇ」 「……はぁ。このままじゃ、留年しちゃうよ」 「そんときはそんとき。あー、くそっ。ねみぃ」 頭をボリボリとかきながら、お兄ちゃんはかったるそうに玄関に歩いて行く。 ふと、足を止めてあたしのほうを振り返った。 「母さんたちから手紙きてるから」 「わかった」 じゃ、と言ってお兄ちゃんは出かけて行った。 時計を見ると、もう時間がやばくて…… お母さんからの手紙は、帰ってきてから読もう。 あたしは軽く食事を済ませて家を出た。