手元にあったのは、昨日隼人の部屋で見つけた封筒と手紙。


これを持ったまま寝ちゃったのか……




「美亜、起きろよ。学校間に合わねぇぞ」



タン、タン……と階段を上がってくる音がして、あたしは咄嗟に封筒を机の引き出しにしまった。



やがてドアが開き、寝癖がついた頭のお兄ちゃんが顔を覗かせた。



「…………」


「なんで無言」


「珍しいと思ってな。美亜が制服着てねぇとか」


「……別に」